Vol.397 2024.2.13

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Column

家族旅行 その3

フィレンツェへ来たらまずウフィツィ美術館であろう。以前、こどもたちとこの街を訪れた時も、違わずここにはやってきている。もとより彼らのリクエストがここであったようだ。

予約していた時間より少しばかり早めに美術館に入ることができた。これば幸先がよい。

当日チケットを購入することで入場できるようであるが、朝早く動かなければスムーズにはいかず、長蛇の列に並ぶことになり兼ねない。それもあるのでわたしの場合は、必ずネットによる事前予約、あらかじめ入場する時間を決めておくことで後々の予定も計画的に組めてくる。

この美術館でのことについてはあまり触れずに行こう。あまり知識ないものが蘊蓄たれるべきではないし、いまとなってはこどもたちのほうがより明確な視点と考察で芸術作品を捉えている。下手に説明しようものなら「いや、そこはそうではなく」なんて正しい知識もって塗り替えられてしまう。芸術を向いたところのイタリアの教育はかなり専門的であり、こどもたちの好奇心や探究心からそれを知ることができる。

ただ、素人目ながら興味を惹かれたプロジェクトとして、昨夏よりはじめられた画家たちの自画像コレクションがあり、かなりの規模で展示されている。自画像は年代順に並べられ、17世紀のタッデオ・ガッディにはじまり、いままだ活躍中の中国人画家ヤン・ペイミンまで続く。計255作品、12の部屋に分割、展示されている中には、著名な画家、たとえばラファエッロ、ルーベンス、レンブラント、ドラクロアなどもいるが、わたしにとっては聞いたことのない名が大半を占めている。

しかし、時代の推移の中で変化していく自画像のあり方や、何より作品を多く描くことで世に名を残した画家たちの“いかに自分と向き合うか”というひとつのテーマに主眼を置いた時に、いかにも画家一人ひとりと邂逅したかのような憂いに包まれるのである。

これは元々、17世紀を生きたレオポルド・デ・メディチのコレクションとしてヴァザーリの回廊(ヴェッキオ橋の上部にある通路)に展示されていたもの、美術館内の収蔵庫で眠っていたものを、斬新なアイデアと、ユダヤ系米国人の富豪、プリツカー一族からの寄付金あって実現したものだという。
11時から2時間半、くまなく腰を据えてとまではいかないが、それぞれに満足のいく時間を過ごせたとランチながらに語らっている。

さて、この後どのように過ごすかをツアーリーダー役の娘に尋ねると、朝が早かっただけにまずは予約してあるB&Bでチェックインしよう。そして少しだけ休んだ後に再び出掛ければよいと、老体にとっては思いがけない神対応に感謝することになる。

ボッティチェッリ“受胎告知”

堂満尚樹(音楽ライター)
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ヨーロッパ音楽の旅
2024年5月以降の予定ツアーのお知らせ♪

2024年5月以降のツアーを下記の通り予定しております。
企画実施が決まり次第、順次パンフレットを作成していきます。
パンフレットを早めにご希望の方はどうぞお気軽にご連絡下さい。

★予定ツアーの一部をご紹介します★
ウィーン滞在 珠玉の音楽紀行7日間<5月出発>
[旅行期間:5月4日(土)~5月10日(金)](予定)
ムーティ指揮ウィーン・フィル、ウィーン国立歌劇場C.ティーレマン《ローエングリン》&《フィガロの結婚》鑑賞!

グラインドボーン音楽祭&ロンドン 珠玉のオペラ紀行8日間<6月出発>
[旅行期間:6月6日(木)~6月13日(木)](予定)
カウフマン&ラドヴァノフスキー《アンドレア・シェニエ》、グラインドボーン音楽祭で《カルメン》、《メリーウィドウ》鑑賞!
または
[旅行期間:6月9日(日)~6月16日(日)](予定)
カウフマン&ラドヴァノフスキー《アンドレア・シェニエ》、グラインドボーン音楽祭で《カルメン》、《魔笛》鑑賞!
※上記いずれかを予定しております。

ベルリン&ウィーン&アムステルダム 名門オーケストラめぐり11日間 <6月出発>
[旅行期間:6月12日(水)~6月22日(土)](予定)
「ベルリン・フィル」ドゥダメル指揮&マーラー第6番、「ウィーン・フィル」ヴィオッティ指揮&ドヴォルザーク《交響曲第7番》、「ロイヤル・コンセルトへボウ管」ティーレマン指揮&ブルックナー第8番を鑑賞!

ヴェローナ音楽祭&ミラノ・スカラ座8日間<7月出発>
[旅行期間:7月8日(月)~7月15日(月)](予定)
イタリア・ヴェローナ音楽祭で《アイーダ》《セビリャの理髪師》《カルメン》を鑑賞、
ネトレプコ&アラーニャ出演、ミラノ・スカラ座《トゥーランドット》公演を組み合わせた夏のイタリアオペラツアー!

ミュンヘン・オペラフェスティバル&バイロイト音楽祭9日間<7月出発>
[旅行期間:7月29日(月)~8月6日(火)](予定)
カウフマン、ダムラウら、スター歌手が集結するミュンヘン・オペラフェスティバルと、バイロイト音楽祭で新制作《トリスタンとイゾルデ》または
《タンホイザー》を鑑賞!

その他、音楽評論家 加藤浩子と行くバッハへの旅9日間(6月出発)バイロイト音楽祭《ニーベルングの指環》鑑賞(8月出発)
など予定しております。

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